この春の褒章で、小関和裁師範学舎代表の小関友実氏が黄綬褒章を受けられました。小関氏は、中沢和裁師範学舎では私の一年先輩の兄弟子です。当時は男弟子が3人いましたが、小関氏は木場の貯木場で丸太を相手にしていたという方で、ある時浅草の呉服店で見かけた着物の美しさに心打たれて、23歳で中沢和裁師範学舎に弟子入り。
『着物を2枚縫わないとその日は寝かせてもらえない……10人弟子になっても1人か2人しか残らない。昔は師匠が鬼に見えましたね。』と述懐。その後独立し、三鷹市内で小関和裁師範学舎を開き後進の指導の傍ら、東京都技能士会連合会理事・全国和裁技能士会会長などを務め、めでたく今回の受章となりました。
先日、小関氏が中沢和裁師範学舎を訪れ師匠の仏壇と遺影に受章の報告をされ、その遺影の胸に飾られた紺綬褒章(師匠は昭和56年受章)を見て感極まったご様子でした。
前野まち子