先日、西荻窪の「きもの館慶屋」さんで、男物の古い中着(なかぎ)を見る機会がありました。 それは、東北地方の庄屋の蔵から見つけられた由。袷仕立てで全体に薄く真綿が入り、斜めの大きな格子柄の中に幾何学模様を藍染めした、大胆でとてもしゃれたものでした。
中着とは、襦袢と上衣との間に着る下着のことですが、綿入れの防寒用の衣服「胴着・胴衣」の類です。 現代ならさしずめ、キルティングやフリースでしょうか。
暖房設備が十分でない時代の生活の工夫と、「裏勝り」の美に感心しました。