数年前の話ですが、染色工場で浴衣の「注染」作業を見る機会がありました。
注染とは重ねあげた生地の上から染料を注ぎ、染め上げる手拭いや浴衣の型染めの伝統的な技術です。
染料がはみ出ないように糊で土手を作り、土手内に何色かの染料を注ぎ入れるので、
色と色の混ざり合う独特のグラデーションがうまれます。
確か7月始めくらいに伺ったのですが、工場内はとても暑かった事を覚えています。
染色工場は川沿いにある事が多く、昔は涼しかったのではないかと思いますが、
昨今の猛暑の中、一枚一枚丁寧に染め上げている職人さんを思うと頭が下がる思いです。
最近は職人さん不足もあり、注染染めの浴衣は貴重なものになりつつあります。
日本の染色技術の伝統がつまった浴衣は夏の風物詩として、後世に残ることを願いたいです。